~災害ケースマネジメントの実施に向けて~
はじめに
被災者台帳とは
被災自治体が災害時に被災者情報を一元化し、迅速に被災者を支援するためのデータベースです。
内閣府により2025年8月に発行された「被災者台帳の作成等に関する簡単手引き」をベースに被災者台帳のプロトタイプ(お試し版)を作成しました。そのプロトタイプの作成目的やアプリの主な機能をお伝えします。
プロトタイプの主な目的
災害前の準備活動の一環として、関係者がプロトタイプを体験し、被災者台帳の仕組みや活用方法を理解し、災害発生時に円滑な災害ケースマネジメントを実施できるようにすることを目的としています。
- 災害発生前に被災者台帳の内容や運用方法を理解する
- デジタル化による情報共有の意義を理解する
- 個人情報の適切な取扱いとセキュリティ意識を高める
以下は、AIによる音声解説(5分)です。今回作成した被災者台帳の全体像と将来の可能性を解説しています。
被災者台帳アプリの概要
被災者台帳アプリは、被災者一人ひとりの情報を一元的に整理できるデジタルツールです。主なタブ(機能)は以下の通りです。
| 基本情報 | 氏名や年齢、連絡先などの基本的な情報を管理します。 |
| 要配慮者情報 | 高齢者や障がい者など、特別な配慮に関する情報を記載します。 |
| 支援の必要性 | 食事や移動など日常生活に必要となる支援を記録します。 |
| 医療の状況 | 在宅酸素・透析などの医療支援の必要性や治療の状況を記録します。 |
| 台帳情報の提供 | 他機関への情報共有や提供に関する同意を記録します。 |
| 罹災証明の状況 | 罹災証明の取得状況を記載します。 |
| 住宅関係 | 住居の状況や仮設住宅の利用状況などを管理します。 |
| 義援金・支援金ほか | 各種支援金の受給状況や申請履歴を記録します。 |
| 減免・貸付ほか | 税金や公共料金の減免、貸付金などの状況を記載します。 |
これらの機能により、被災者の状況や必要な支援が一目で把握でき、関係者間での情報共有が円滑に行えます。
画面サンプルは、APPENDIX欄をご覧ください。
相談記録アプリの概要
被災者台帳アプリには、保健・福祉支援のための「相談記録アプリ」も連携されています。主な機能は以下の通りです。
| 身体的・精神的な状況 | 被災者の健康状態や精神面の状況を記録します。 |
| 日常生活の状況 | 生活習慣や日常の困りごとを把握します。 |
| 個別相談内容 | 個別の相談内容や対応履歴を記録します。 |
相談記録アプリの活用により、被災者の心と体のケアをよりきめ細かく実施でき、災害ケースマネジメントによる長期的な見守りや暮らしと住まいの復興支援へと切れ目のない支援を続けることが可能となります。
画面サンプルは、APPENDIX欄をご覧ください。
個人情報の理解と共有の重要性
台帳の運用にあたっては、個人情報の適切な管理が不可欠です。情報漏洩や不正利用を防ぐための対策を徹底することはもちろんのこと、個人情報の共有に関する規則をきちんと理解し、災害時に関係機関やNPO等への適切な共有ルールの理解が必要です。
まとめ
被災者台帳は、災害時に必要な情報をすばやく集め、支援を進めるための大切な仕組みです。関係するすべての人が、その役割と使い方を理解し、災害ケースマネジメントをより効果的に進めていけるように、災害前に準備をしておきましょう。
お問い合わせ
ご希望に応じて、自治体の担当者の方向けに被災者台帳プロトタイプのオンラインデモを実施します。
お問い合わせフォームよりご連絡お待ちしています。
APPENDIX
被災者台帳アプリの画面サンプル
相談記録アプリの画面サンプル
今後の改善アクション
- 訓練や研修の実施
-
- 基本的に訓練や運用しながら改善を繰り返す。
- フェーズにあわせて項目の追加ができるように、技能研修を繰り返す。
- 個人情報[共有]のための意識改革研修等の受講を検討してもらう。
- 機能的な改善
-
- 本人を識別する番号を住民基本台帳/罹災証明と連携させる。
- 「ふりがな」はひらがなではなく、全角カタカナに統一する(戸籍にあわせる)
- 指定避難所の場合は、選択できるようにする。(避難所共通IDを使用)
- 広域避難や避難所を転々とした場合もフォローできる仕組みにする。
- 世帯番号を住民基本台帳/罹災証明と連携させ、世帯がわかるようにする。
- 家族の安否に記入する内容を明確にする。
- 集落やコミュニティ単位のグループ表記を考慮する。
- ペットの種類や数もわかるようにする。
- 「〇(記号)」と「〇(漢数字)」が混在しないようなUIに変更する。
- 本人同意の欄は実運用に耐えられるように改善する。















